MDなどのデジタル録音ができる機器やメディアの一部に課金されている「私的録音補償金」。
メディアには既に課金されており、販売価格に上乗せされている。
一般の人は知らず知らずの上に徴収されているという仕組み。
もちろん法律的根拠に基づいて徴収されており、徴収された血税は著作権者に分配されているらしい。
子供の頃、「日本人全員から1円づつ貰えば1億円だぜえへへへへ。1円くらいこっそり盗ったってわかりゃしないって!」なんて思った人いませんか?
私的録音補償金もほとんどの人が知らないまま、しずかに集められています。
・・・今のは軽い余談ですので聞き流してください。
さて、話を戻してちょっと例をあげてみます。
CDを買ってMDに録音した場合。
これが一般的なMDなどの使用法だと思います。
これはバッチリ法律に基づく補償金徴収の対象。
やむを得ないので諦めて補償金を支払いましょう。
そして著作権者に分配されることを祈りましょう。
問題なのは自分に著作権がある楽曲を録音した場合。
これはどうなるのだろう?
私的録音補償金返還基準を見ながらこれを考えてみます。
例えばバンドを結成したとする。
作詞・作曲 自分。
バンド仲間と演奏してMDに録音した。
MDには補償金が課金されている。
自分たち以外の誰の著作権も使用していない。
じゃあもちろん補償金は返還してもらえるでしょう・・・!
答えはNoです。
音楽を録音した時点で著作物を録音したことになり、返還の対象にならないそうです。
それが例え自分の著作物であったとしても。
酷い話です。
まったくの取られ損です。
そんなこと法律が許すわけがありません。
ではどうしたらいいか?
大丈夫です。法律はボクらの味方です。
「私的録音補償金分配規程」というものがあります。
ここで分配の申請をしておけば、MDなどに課金された補償金の一部が著作権者に分配されて戻ってくるわけです。
ワンダホー!
さて、分配申請の方法ですが、「私的録音補償金分配規程」2条 には以下のように書かれています。
私的録音補償金は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる権利者に分配する。
(1) 著作権者
私的録音に係る著作物に関し、著作権法(以下「法」という。)第21条に規定する権利を有する権利者
(2)実演家
私的録音に係る実演に関し、法第91条に規定する権利を有する権利者
(3)レコード製作者
私的録音に係るレコードに関し、法第96条に規定する権利を有する権利者
今回の場合は(1)に該当すると思います。
問題はそのつづき。
2 前項各号の権利者への分配は、それぞれの区分に応じ、次の各号に掲げる会員(以
下「権利者団体」という。)を通じて行う。
(1) 前項第1号の権利者
社団法人日本音楽著作権協会
(2) 前項第2号の権利者
社団法人日本芸能実演家団体協議会
(3) 前項第3号の権利者
社団法人日本レコード協会
判りましたね?
分配をしてもらいたい人はJASRACと信託契約を締結してください。
これで全てが解決。
ハッピー、ハッピー。
運がよければ1円くらいは分配されると思います。
ちなみに費用として信託契約申込金:25,000円+消費税相当額 が必要です。
あと戸籍謄本や印鑑証明書なども必要なようですのでご注意くださいね。
さらに付け加えると申請にかかる通信費などの費用は全て申請者が払う事になっていますのでお気をつけて。